山田洋二監督の時代劇三部、その最後を飾るのが『武士の一分』。
原作は藤沢周平氏の短編集、隠し剣秋風抄に収録されている、盲目剣谺返し。毒見役の下級藩士、三村新之丞が、運悪く毒に当たり失明。そんな夫を健気に支える妻の加世ですが、夫を愛するばかり、藩の偉い人い騙され手篭めにされてしまいます。二人の関係を新之丞が知ってしまって、さあ大変。盲人にもかかわらず、新之丞は無謀にも決闘を挑むのです。
主人公の新之丞を演じるのはキムタク。ちっ、キムタクかよ!と、映画を見る前はイケメンへのひがみにも似た感情を抱いておりましたが、彼の演技は結構良かったですよ。とくに殺陣が。
新之丞は目が見えませんので、映画の舞台はほとんど家の中。マクロな世界ではありますが、その分、新之丞、加世、中間の徳平との関係がしっかりと、ときにはコミカルに描かれていて、深く映画に入り込めます。恐るべし、山田マジック。
良い映画でしたよ。
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