面白い本です。『ポスターを盗んでください +3』を読んでみて下さい。
日本デザインセンター原デザイン研究所の所長であり、グラフィックデザイナーでもある原研哉さんの随筆集です。研究所とか、随筆集だとか言うと堅苦しく感じますが、要は原さんの苦労話。規格外のウィスキーボトルを創る為、量産性を重視する工場の体質に悩んだり、著名な工業デザイナーであるシド・ミードとの仕事の際、気を使い過ぎた故に失敗してしまった話など、いずれも興味深く読むことができました。
無印良品しかり、松屋銀座しかり。白地に文字をふんわりと乗せた、シンプルながら洗練されたデザインを確立できたのは、何度も味わった産みの苦しみと、並々ならぬ探究心があったからこそ。淡々と綴られた体験談の中に、デザインに対する情熱が見え隠れするこの本を読んで、そう思いました。
面白い本です。
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